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35年ローンで家を買うのはアリかナシかを考える①~年収500万の家庭篇~

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リクルートホールディングスが提供する賃貸情報サービス「SUUMO」に、マンション購入の面白い実例が公開されていたので改めて考えてみました。

やっぱり私は、35年ローンでマイホームを買うという選択肢には首を縦にふれません……。

働き手は夫のみ、年収500万の家庭が3LDKを購入

30歳の会社員の夫と、専業主婦の妻。0歳の子供がいる3人家族が3LDK(70㎡)のマンション購入を契約したケースがありました。

まあ、3LDKあれば家族が増えても対応できるし、70㎡は決してせまくない、使い勝手の良い広さだと思います。 

物件が好条件なのは当然のこととしまして。

本当にその購入って賢い選択なのか、ちょっと見てみたいと思います。

A家の場合

物件の価格 4,500万円
頭金 1,000万円
ローン借入額 3,500万円
返済期間 35年
金利 0.675%(変動金利)
月々の返済額 94,000円
ボーナスの返済額 0円
年間の返済額
(返済負担率)
1,128,000円
(約23%)

35年ローンつまり420回の分割で430万円割り増し

3,500万円を35年(420回)ローンで、0.675%で組むとなると、記載にある通り返済額は月々94,000円。 

この中の内訳は、最初の頃は約2万円が利息として加算されています。
毎月利息の比率は下がっていき、徐々に返済している元本の割合が増えて行きます。

つまり最初の頃は毎月94,000円払っているうち、74,000円分しか実質返済していないことになってます。

これを35年続けると最終的に利息は総額430万円。 
4500万円のものを買ったつもりで、その購入金額は4930万円になっています。

利息のせいで1年ごとに123,000円も余分に払わされているという事実、見逃せません。
家賃1か月分以上じゃないですか。

しかも変動金利ですよ。
金利が上がってしまったって文句が言えない契約です。

家は朽ちていくのみ、価値も下がるし、リフォーム代がかかる

今は最新のものだからと喜んで買ったからといって、10年後には当たり前。
20年後ではもう古い設備や機能になっている可能性が高いです。
それを最盛期の高い値段で導入して、10年後や20年後に改めて最新リフォームを施したいとなったら、ローン返済中にもかかわらず莫大なリフォーム費用が上乗せされます。

家は時間が経てば経つほど資産価値が下がる商品です。
持っておいて20年後に4倍の価値になっている金塊とはワケが違います。

マンションという集合住宅、隣人交換もできるわけない

不動産を購入した際に恐ろしいのは近隣トラブルです。
ケンカばかりしているご家庭、子供とそれを叱る声がやたらうるさい家族、タバコや料理の煙が我が家に流れ込んでくるケース、その他もろもろ想像される近隣トラブルのケースは数知れません。

不運にも何かしらの近隣トラブルを抱えてしまった場合、不動産を交換したくたってできるわけありません。購入しちゃってるんですから。
だからと言ってお隣や上の階など迷惑の元となっている人々もお家を購入しているとしたら、いくら文句を言ったところで引っ越してくれるとは限りません。

一生そこで暮らしていくのだろうか

今は良いと思って購入したその場所、その地域。
それが果たして10年後・20年後・30年後に見ても同じく魅力的な場所なのか、本当に今の自分たちに判断できるでしょうか?

いつどんな開発が計画されるかわからない。
不測の事態や天変地異などは想定できないですし、 今は便利な場所でも何かが起きて、便利じゃない環境になってしまったら…物件の価値も下がりますし売却益もたかが知れているでしょう。

35年ずっと継続的に働き続けるプレッシャーを背負うのか

30歳~35歳くらいからローンを組む人が多いようで、そうするとだいたい65歳から70歳くらいまでローンを抱える事態に。

それまで生きてきた半生の時間と全く同じ期間、毎月必ず支払いの義務を背負っていくという地味な重圧を、軽く考えすぎなのではないかと感じます。

本当に向こう35年間も、何のトラブルもなく、健やかに働き続けて返済することが可能なのでしょうか。
不仲や離婚の危険性は?
病気をして仕事が大変になってしまう可能性だってあります。

人生往々にして、想定外のことが訪れるものです。
予測できない未来を生きている将来の自分に、ずいぶんな重荷を背負わせるものだなと私は感じてしまいます。

賃貸のほうが無難で効率的だと思う

場所が、隣人が、環境や条件がイヤになったらいつでも解約できる賃貸。
いくらでもその都度最新の設備の部屋に乗り換えることもできて、固定資産税もかからない。

家の購入が30年をまたにかけた『まとめ買い』だとすれば、賃貸は借りるたびに価値にあった相場で必要な分だけを購入できる『単品買い』です。

5年後は5年後の自分の身の回りの条件にあったもの、10年後は10年後の条件、20年後は20年後の条件にあったものを探して予算を上下できるのも賃貸ならではのメリット。

先行き不安な今だからこそマイホームを購入して安心を……は、体よくいった売り文句で、実際は安心と真逆の買い物なんじゃないかと考えます。
先行き不安な今だからこそ、都度状況を見て判断できる賃貸物件がベスト、といえるでしょう。

今後もその他の事例を見ていきながら、果たして家は購入がいいのか、賃貸がいいのかを考え続けていきたいと思います。