ひた隠しにされるお得な制度
これに気づいたのは2014年、私が31歳の頃でした。
当時すでに私は個人事業主になっていたため「国民年金」の加入者でした。
※企業に勤めている社会人のかたは「厚生年金」ですね
国はこの「付加保険料」についてあまり告知や宣伝をしていないようで、 国民年金加入者のかたでもこの件を知っている人はごくわずかの模様。
国民のためになること。
にも関わらず大々的に宣伝をしないのは、きっとこの制度を利用する人が増えるほどに国庫負担が大きくなるからでしょうか?
国民年金の付加保険料とは
付加保険料は、いつも納付している通常の定額保険料(平成29年度では月額16,490円)に加えて、上乗せして納めることのできるもの。
上乗せしておくことで、将来受給する年金額を増やせます。
ただでさえ、厚生年金加入者に比べ老後にもらえる年金額が少ない国民年金加入者にとっては、貴重な救済措置といえるでしょう。
付加保険料の対象者と納付額
この付加保険料の制度に参加できる対象者は以下のとおり。
- 国民年金第1号被保険者
- 任意加入被保険者(65歳以上の方を除く)
そして気になる月々の納付額ですが…
月々400円
と、かなり負担低めの設定です。
受給時にプラス(付加)される年金額
付加保険料を払い続けることで老後に受給できるプラスの年金。その計算は以下のようになっています。
200円×付加保険料を納付した月数
払い続けた月数の分だけ大きくなるという単純な計算式。
最大で20歳~60歳までの40年間ということになります。
40年間払い続けた場合、もらえる年金額は
200円×480ヵ月(40年間)=96,000円
96,000円が毎年の老齢基礎年金に付加されることになります。
月々のたった400円が、将来○○円になる
月々400円支払うことで、受給する権利を得た付加年金。
その満額が96,000円で、月々に換算すると8,000円です。
月々の400円が、将来的に月々8,000円の戻りとなるわけです。
ここ20年で金の価格は4倍になったようですが、単純に言ってしまえば金よりも倍率の良い投資になっている状況です。
ちなみに最初の10年間を支払いそこねた私の場合を仮計算すると、
30年間支払った場合にもらえる付加年金額
200円×360ヵ月(30年間)=72,000円(年額)
72,000円÷12=6,000円(月々の額)
30年間の支払いでも、月々6,000円になって戻ってきます。
20年間の支払いでは、月々4,000円。
10年間の支払いだと、月々2,000円。
早く始めれば始めるほどに月々の戻りが大きくなるため、お得と言えるでしょう。
老齢基礎年金より元を取れるペースが速い
平成29年度時点での老齢基礎年金受給額は779,300円。
年金は物価スライドがあって金額は調整されますから一概には計算しづらいものです。ざっくり1,600円前後が、支払った月数分カウントされ、老齢基礎年金の年額として計算されているようです。
物価スライドをいったん忘れて、平成29年度現在の状態を固定として計算してみると、
(平成29年度の定額保険料16,490円×480ヵ月)÷1年の受給額779,300円
(仮の年金総支払額)7,915,200円÷779,300= 10.156年
物価スライドを完全に無視して仮計算してみると、老齢基礎年金は元を取るのにおよそ10年はかかるというようになりました。
いっぽう付加保険料による付加年金額は96,000円。(1年ごとにもらえる金額)
40年間で払うことになった付加保険料は192,000円ですから、2年受給すれば付加保険料は元が取れます。
ただし、この付加年金額は「物価スライド」が適用されない完全定額の制度です。
よって万一日本の物価が30年度に100倍くらいになっていたとしても、老齢基礎年金本体は金額調整が入ってくれるものの、この付加年金は最大96,000円で変動しません。
申込は各市区町村役場の窓口で
付加年金を受け取りたい!そのために付加保険料の支払いをスタートしたいと思ったかたはお住まいの各市区町村の役場にいって直接申し込んでください。
申し込んだその月の分から +400円 年金納付額が増加します。
また、万一支払期限を過ぎてしまって払い忘れがあっても、2年間は追いかけて納めることができるようになっています。
これは長生きすればするほどお得が返ってくる制度です。
私も健康なまま100歳まで生きてやろうと燃えているタイプ。
30年間付加保険料を支払った私が仮に10年…20年…30年間と付加年金を受給し続けることができれば、以下のとおりです。
総支払額:144,000円
10年間の受給額:72万円(元本の50倍)
20年間の受給額:144万円(元本の100倍)
30年間の受給額:216万円(元本の150倍)
いかにお得な制度であるかが、おわかりいただけるのではないでしょうか。
今は手取り収入が厳しい時代で毎月のやりくりに苦労しているかたも多いはず。ですが、月々たったの400円なら、ランチの大盛り100円分を4回我慢したりラテマネーを1回我慢したりすればねん出できる妥当な価格帯です。
(物価スライドはしないけど)そこまで異常に物価が変動しないことを想定&期待して、今の400円を未来の2,000~8,000円に増加させる投資は、なかなか手堅い運用のひとつと考えて良いのではないでしょうか。