まず前提として、天然資源の活用というエコシステムは大賛成です。
少しでも多く、世の中に広まってほしいと切望しています。
ところで、先日うちにもソーラーパネルの営業さんがお話に来ました。
この資本社会において資金の使い道は死活問題となりますので、超シビアに検討しました。
今日はちょっとそのお話を書きます。
- ソーラーシステムとは?
- 営業氏、1回目の売り込み
- 営業氏、2回目の売り込み
- 現金137万円を投資し、25年間で約117万円分のプラス収支
- おまけ:太陽光関連会社の相次ぐ倒産
- 検討するならなるべく多く比較
ソーラーシステムとは?
ソーラーシステムは太陽光を使って発電するシステム。
実は太陽の熱じゃなくて、紫外線で発電しています。
ちょっと前まで、太陽の熱で発電しているのかと思っていました(;'∀')
日の出のころ、だいたい朝5時くらいから発電が始まって、夜は19~20時くらいまで発電が続くとのことでした。
ハンドメイド感がすごいですね笑(↑スマホのアプリで書きました)
抑えるべき特徴は以下の通りだったかなと思います。
太陽光発電のポイント
- 紫外線を浴びて発電する
- 発電した電気はリアルタイムで使用される(電力会社から電気を供給してもらうのを一時的にストップして、使う) ⇒ ここでまず電気代節約になる
- 【昼間はゼロ円】日中の時間帯は、ご家庭の電気使用量よりもソーラーパネルによる発電量のほうが多い(電気が余る。この間、買っていないことになるので、電気代はゼロ円)
- 【売電可能】この日中の余った電気は、東京電力や関西電力に送電して売ることができる ⇒ ちょっとした商売となり、収益が手に入る
- ソーラーパネルの発電がご家庭の使用量に足りないぶんは、今まで通り電力会社から送電してもらい、電気が使えるため、停電の心配もない
ややこしい感じがしますが、シンプルです。
【節約】太陽光で発電した分だけ、電気代は減少する(電力会社から買わないぶん)
【収入】余分に発電できた電気は、買い取ってもらえる(銀行振込)
こうゆうことです。
なんだかとてもオイシイ話のような気がする…!
────という気持ちになってしまいますが、ここは落ち着いて、実際に提示された見積もりのケースを見ながら、冷静に判断していきましょう。
営業氏、1回目の売り込み
導入は早いほうがイイと力説される
筆者の家に来た営業さんが仰るには────
東京電力に買ってもらえる売電ですが、数年前はもっと販売価格が高かったんです。
みんながソーラーシステムを導入し始めちゃって、どんどん下がって来てるんですよ~
やはり先行者優位ということらしいです。
ソーラーシステムが一般家庭にではじめる頃にいち早く飛びついた人たちは、ある程度お得に売電が出来ているようです。
過去の売電価格はこちら。
いっぽう2017年は28円です。2009年からマイナス20円になっています。
この先2018年は26円、2019年は24円と下がっていきますから、今年中の設置がイイですよお~
と仰っていました。
ちなみに、家にソーラーシステムを導入した時点での売電価格が10年間保証されます。
例:2017年に契約&導入したら2026年までずーっとキロワットあたり28円で買ってくれる
営業さん、長州産業を猛プッシュ
いい商品を作る、国産の長州産業がいいですよー!と推されました。
下は公式サイトです。
お見積り(計画書)を見せてもらうと……
- 筆者宅の場合、ざっと1日につき4.860kWを発電するシステムが屋根に乗せられそう
- 年にしてたぶん5,346kWhくらい発電するかもしれない
というざっくりとした推定量を試算してくれました。
住んでる場所の日照時間などを計算したらしいです。
そして肝心の、購入金額など各種お金に関する内容は次の用紙です。
- 筆者宅の電気消費量の場合、自家消費(家で発電した電気を使って補うこと)で30%くらい、売電には70%くらいの電気量がまわせるのではないか
- それをもとに計算すると、1か月につき約13,292円くらい今より得になる
- 1年間だと約16万、10年間では約160万円も得、18年間だと約275万円も得になる
- 償却年数は12.5年です
- 設置費用は、総額199万円(税込)
- 216回に分割
- 金利は2.15%
- 月々11,118円のお支払い(でも節約+売電で月々13,292円得してるから、イイでしょう?)
とのことでした。
うーん、これは……
どこがお得なのか確認
金利2.15%で216回に分割
これは、わざわざ金利を付して、18年にも引き延ばして、分割返済しろということです。
199万円の買い物のはずなのに総額240万円、利息41万円も余分にお金使うことになっています。
恐らくこれは一括で200万円の買い物は難しいだろうという判断のもとに、出てきたお話だと思います。
償却年数が12.5年
償却年数、これはつまりソーラーシステムを購入するのにかかった費用を無事取り返せるのが12.5年後という意味です。
損益分岐点です。
そもそも現時点での売電価格28円が保証されているのが10年間だけなのに、その先の2.5年も安定して売電できるという前提で試算されています。
ここを鵜呑みにするのは危険かなと思いました。
整理しよう
- 199万円のものを240万円で買うことになる(分割の場合)
- とりあえず10年間は売電が保証されるので160万円分くらいは(電気代減額+売電収入で)取り返せる
- 240万円-160万円=10年後でまだ80万円も損している状態
- 10年後には売電契約の見直しが入る(打ち切り、または雀の涙ほどの金額の可能性がある)
- 仮に売電がゼロになった場合、10年後以降は節電による月々4,556円の得だけが残る(パネル本体は25年保証です)
- 残り80万円の損を月々4,556円で取り返すには175.5ヵ月⇒約14年と半年かかる
これは危ない。
きわめて危ない懸けだと直感しました。
240万円を投資をして、10年後にまだ-80万円のままでいることがほぼ確実の案件です。
これでは「わーい節約になりますね!絶対ソーラーパネルやります(^^♪」とはなりません(;'∀')
出直してきてください
ソーラーパネルは他にもシャープ、パナソニック、なんなら外国産などたくさんあるのは知っていました。
しかし営業氏が提示してきたのはたった1件だけです。
これでは比較検討ができません。
私は以下の質問と要望を提示して、メールでの回答をお願いしました。
これが御社でできる、我が家のためを想った最高のプランですか?
これ以上のものはないと考えてよろしいですか?
他の企業のパネルはどうなってますか?
また、これは一括払いはできるのですか?
分割するならするで金利や回数を調整はできるのでしょうか?
私が首を縦にふると確信できる(つまり筆者宅にメリットのある)最高のプランを用意してください
営業活動は詐欺じゃないのですから、本当に人のためになるものを売っている。
そう信じて、私はオーダーを出しました。
営業氏、2回目の売り込み
そして後日、答えがメールにて届きました。
カナディアンソーラーがおすすめ
先日は失礼しました!
お宅ならば、きっとこのカナディアンソーラーが最もお安く、良い結果が得られるはずです!
ついに真打(しんうち)が登場しました。下のリンクは公式HPです。
送られてきたお見積りはこちらです。
1日につき4.23kWの発電量のシステムを導入することができる。
これは、長州産業と比べ0.63kWほど落ちていますが────
商品価格は137万円です。
本体価格が一気に62万円も下がっています。
発電量を0.63kW下げるだけで62万円OFF
最初からこちらを提示してくれたら良いのではないでしょうか(;'∀')
216回分割の場合
提示されている分割回数です。
総額1,653,258円、利息は283,258円もついてしまいます。
180回分割の場合
こちらは、問い合わせて出てきた情報です。
選択の余地があったということになります。
しかしこれでも総額1,603,873円、利息は233,873円もついてしまいます。
20万円以上も余分に増えています。
あまり216回と大差ありません。
一括払いはできるのか
できるとの回答がありました。
これもまた、問い合わせないと出てこなかった情報です。
少しでも多く利益を確保したいからなんですかね。
せめて最初から、支払回数の選択肢は説明してもらえると親切だなあと思いました。
なお筆者宅の場合、選ぶなら一括しかないです。一番安いので。
一括払いでシミュレーション通りに発電できた場合の損益分岐点
これを考えてみます。
売電保証の10年間
月々の光熱費節約分は12,644円。
この場合、137万÷12,644円で約9年。約9年で償却でき(元が取れ)ます。
10年目からようやく本当の『得(プラス収支)』が発生します。
10年目だけは売電価格が確定しているので 151,728円です。
本体保証の残り15年間
11年目からは売電価格がゼロになると仮定して、節電分だけをカウント。
本体が保証されている25年目まで得が発生すると仮定します。
11~25年目で月々5,644円×12ヵ月×15年=1,015,920円。
つまり151,728円+1,015,920円=1,167,648円のプラス収支が想定できました。
現金137万円を投資し、25年間で約117万円分のプラス収支
カナディアンソーラーのパネルを選択した場合、、こういった結果が得られる可能性があると推測できます。
悪くはないですね!
とりあえず売電価格が保証されている10年のうちに元を取り返せている分、このプランはまだ良いでしょう。
問題なくまわれば、プラス収支も期待できなくもない……といったところ。
しかしやはり、リスクがやや多いのが懸念点です。
懸念点
- 売電価格の保証は10年間だけ
- パネル本体の保証も25年間だけ
- 節電量と売電量はあくまでシミュレーション(相手は天気という自然現象であり予測不能)
- 10~25年もあれば、新たに別の革新的なエコ技術が生まれている可能性が十分ある
- 25年先の117万になる予定なら、今、手元にある137万円を他の投資先で25年間運用してみたい
これらが気になって、今回はソーラーシステム導入にNoの結論を出しました。
おまけ:太陽光関連会社の相次ぐ倒産
帝国データバンクの調べによると、2016年1月~12月の太陽光関連業者の倒産件数が67件だそうです(;゚Д゚)
参照:http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p170201.pdf
全体の負債総額も333億円とケタ違いの上昇を見せています。
倒産してしまったら、10年保証だ25年保証だといってた話はどこへいってしまうのでしょう。
というよりは、どうしてそもそも倒産してるのでしょう?
順調ではないのでしょうか?
地球環境を守るエコシステム関連事業は、うまくいってほしいのが本音です。
検討するならなるべく多く比較
もしも太陽光発電システムを検討しているかたがいらっしゃいましたら、必ず、1社ではなく複数の会社で見積もり、比較検討をしたほうが絶対にお得になるはずです。
最終的に決めるのは1社で、そことはかなり長い間付き合っていくことになります。
人生のパートナー選びくらいの気持ちをもって、慎重に選んだほうが良いと感じました。