童貞とイケメンストーカーによる
ひとりの女性をめぐる友情ストーリー
(記憶改ざん合戦)
※ネタバレありの記事です~※
こんばんは。
東野圭吾さん原作の『パラレルワールド・ラブストーリー』観てきました。
原作は観ていません。
とりあえず押さえとく登場人物
敦賀崇史(ツルガタカシ)…主人公 / 玉森裕太さん
津野麻由子(ツノマユコ)…ヒロイン / 吉岡里帆さん
三輪智彦(ミワトモヒコ)…キーマン / 染谷将太さん
篠崎伍郎(シノザキゴロウ)…サブ / 清水尋也さん
岡田夏江(オカダナツエ)…サブ / 石田ニコルさん
わたし的に、このあたりを忘れなければだいたい中身は理解できるかなーという印象でした。
予想が半分くらい当たった
3月頃にほかの映画を観た際に予告が流れて、すごく気になる内容だったので、元々ノーマークだったんですが観に行っちゃいました。
パラレルものって、
- 実際にはありえない現象で構築されるファンタジーもの(地球がふたつあるとか)
- あくまでリアルな世界のなかの、リアルな原因(記憶喪失とか)により、結果的にパラレル風に構成されるもの
のどちらかだと思うんですが、映画館への行きの車で予想したのは2のほうでした。
すべて予告編映像からしか予想するほかなかったのですが、予告のなかに散りばめられてるいろんなシーンをざっくり頭の中でイメージすると「これは"ファンタジーでした"で片づけるより、リアルな世界で起きたナニカのほうがおもしろそうだな」と思ったので2番で。
とりあえず1人の女性を取り合う男性2人の構図は前情報だけでだいたい予想つきますよね。
「パラレル」と表現するってことは2つの時間軸が物語のなかで登場するんだろうなと。
その2つのうちの片方が非現実。
ただしそれがファンタジー的な「どこかもうひとつの地球の私たち」とかじゃないリアルなナニカなんだとしたら、それって主人公が記憶障害起こしてて記憶が2重になってるんじゃないかなぁと。
ここはおおむね当たりました。
が、予告にある「消えた親友(←トモヒコ)」という部分は、主人公ツルガがトモヒコを殺しちゃったんだろうって思ったんですね。
彼女欲しさに。
ここはハズレちゃいましたね。
パラレルワールドラブストーリーの真実
学生時代からの親友男2人は、ともに理系オタク。
ふたり同じ職場(研究所)に進み、脳や記憶に関する研究をしている。
そんな理系気質という特徴が、モロにストーリーへ影響しました。
さて、本作の真実をまとめると、
- ツルガとマユコは、たしかに以前京浜東北線と山手線のはざまで出逢っていた(マユコも覚えていた)
- ツルガとマユコはお互い惹かれていた(が、結ばれなかった)
- 後日、トモヒコが初めてできた彼女を紹介するという形でマユコを紹介。ツルガとマユコ偶然の再開。
- イケメンストーカー・ツルガの猛アタック!
- マユコ、ツルガの気持ちを受け入れる(ラブシーン)
- トモヒコ、ふたりの関係に気づいてショック受ける
- そんな折、トモヒコは没頭している記憶の研究において、後輩シノザキをスリープ状態(昏睡状態?)にしてしまう
- ツルガとマユコのためと、スリープ状態のシノザキのために、トモヒコは自らを実験体にすることで「シノザキのためのスリープ解除の方法」と「ツルガとマユコのために自分が昏睡状態になる」という2つを同時に手にいれるファインプレー
- ツルガは、親友の彼女を奪ってしまったことや昏睡状態に陥れてしまったことなど諸々の罪悪感に耐え切れず「トモヒコとマユコが恋人だったこと&トモヒコが昏睡状態になったこと」の記憶を改ざんする。←ここが重要ネタバレ
- 真実を知っているマユコは、研究所の教授(彼も真実知ってる)に指示を受け、ツルガと生活を共にする。両想いだったのでむしろオッケー。
- でもだんだん記憶の齟齬がほころびを見せ、徐々に元の記憶がでてきちゃうツルガ←物語のほとんどはココ
- 真実を思い出すツルガ。元々真実を知っているマユコと対決!共同生活のなかで、真の愛が芽生えているマユコ的にはつらい
- マユコは「一緒にもう一度やりなおそう」の線を推す
- ここから、ある程度時間は進んで、ついにトモヒコが昏睡状態から目を覚ます
- ツルガとトモヒコの友情は復活!ツルガとマユコはまったく見知らぬ他人になったぽい
- が、しかし!渋谷のスクランブル交差点ですれ違うふたりは、お互いに気づいて振り返ってしまう…でおしまい。
気づかないままで終わりの場合、ツルガとマユコは完全にお互いを忘れる形で、すべてなかったこととして終わりになるんでしょう。
でもたぶん、あのふたりはまた恋に落ちるんだと思います。
その時、元々ほんとうの恋人関係になれていたトモヒコの記憶に、なにか悪い影響を与えたりはしないでしょうか?
なんともスッキリしない、ハッピーともバッドともいいがたい不思議な感覚で終わるストーリーでした。
記憶障害=パラレルなんだなぁというのは序盤でわかってしまったんですが、最後のほうまでトモヒコが猟奇的な発想でツルガに悪いことをするのか、友情路線で良いことをするのかがわからないようにできていて、そこがおもしろい構成だったなぁと思いましたので星4です。
週末、恋人や夫婦で鑑賞してみてはいかがでしょう?
- ちゃんとミステリー度:★★★★☆
- 主人公のさりげないストーカー感:★★★★★
- 主人公が記憶を取り戻すキッカケがやや不明瞭度:★★★★★
- 総評:★★★★☆
地味にいちばんおどろいたのは、女優ミムラさんの芸名が変わっていたことでした。